うれしがり日記
GONG
リシーヴ魂隊の関西地区総長のGONGさんのコラム。『ヤマハ携帯サイト「ケータイクリエイターズ広場(Kクリ)」にて3つのレギュラーコーナーを展開中。あらゆるジャンルに興味を持つ趣味人間。特に収集欲、物欲が強い。広く浅い知識を誇るオタクになり切れないオタク。』とご本人。楽しいコラム間違いないです。
『サクラにまつわるエトセトラ』
子供の頃、
「なんで大人はあんなに桜を有り難がるのだろう?」
というのが不思議でならなかった。
確かにキレイだけれども、たかが花じゃないかと。
(そもそも花自体にさほど興味が無かったし)
他にもキレイな花はいくらでもある。なぜ桜は特別な存在なのだろうか?
これを書いている今、まさに桜満開のシーズンでございます。
桜を見ると胸が騒ぐようになったのは、いつ頃からだったでしょうか。
初めて「花見」らしいことをしたのは10年ちょっと前でした。
東京の居酒屋さん「呑気放亭」さんが毎年開いているお花見にお邪魔した時でした。
杉並区の善福寺公園というところに行ったのですが、
まぁ、見事でした。
まず1本1本の桜の木がとにかく大きい!高い!そんな木が池沿いにずらっと並んでいるのです。
見事な様でした。
風が吹くと ぶわっ! と桜吹雪が舞い、花見客たちから歓声と拍手が沸き起こりました。
圧倒されました。
その時からだったかも知れません。
テレビの開花予測が気になりだし、満開の桜を見ると足を止め、携帯のカメラに収めすにはおれない衝動にかられます。
僕的な桜の名所と言えば・・・
まず何をおいても、我が奈良県が誇る吉野の千本桜でしょう。
桜のシーズンともなると、そりゃあもう別世界です。
ただ、あまりに人が多くて(苦笑)なかなかじっくり桜を愛でるというのは難しい場所かも知れません。
我が地元の竜田川の桜も見事です。
そして穴場的おススメスポットとしましては、JR大和路線の「河内堅上駅」です。
大和川の至近にあるこの駅には、ホームに沿って桜の木が並んでいます。
シーズンには見事な桜の花をつけ、電車の中からも観ることが出来るのですが、
いつしか、この桜を観る為だけに、毎年この駅で降りるようになりました。
そうこうして桜に注目するようになって、
人が桜に惹かれる理由がなんとなく解ってきました。
桜って、一瞬なんですよね。桜が咲く期間ってほんとにわずかです。
そして、桜が散ったあとの桜の木って、ほんとになっていうか、「ただの木」なんです。
寂しいんですよね。
そうなると、早くも次の桜の季節が恋しくなってきます。
この儚さが、愛しさに変わるといいますか。
そんなせいなのかどうか、この桜を歌った歌もたくさんあります。
あの悪魔であられる聖飢魔IIでさえも「サクラ散ってサクラ咲いて」という曲を出しています。
とても切ないギターソロがなんとも言えない良い曲です。
そして、感情にガツーンと来るサクラの名曲がありました。
シンガーソングライターで、放送作家でもある、東野HOBOひろあきさんが歌う「空から桜の花びらが」という曲です。
残念なことに音源化されていないのですが、東野さん曰く「自分はあと何回この桜を見れるやろうか?という気持ちを歌った」のだそうです。
この曲を聴いた時、まさに自分も同じことを思いました。
自分はあと何回、桜を観ることが出来るだろうか?そして父や母にあと何回桜を見せてあげられるだろうか。
そう思った時、涙がこらえきれませんでした。
人は桜に、人生を重ねて見てしまうのかも知れません。
いきなり格闘技の話しに振りますけど(笑)
2000年5月、PRIDEのリングで桜庭和志がホイス・グレイシーと戦った伝説の一戦があります。
その試合前、ホイスは「5月にはサクラは散るよね。」と、桜庭の名前にかけてそうコメントしました。
それを聞いた桜庭が家族に電話をかけ「5月に咲いてる桜もあるよねぇ?」と聞いていた様子がテレビで流れました。
そこでムキにならんでも、と思いましたが(笑)ここでもやはり、桜というのは人の心に栞を挟む存在なのだということですね。
(ブラジル人のホイス・グレイシーまでもが桜に触れたのは驚きましたが。)
そんな今だからかも知れませんが、
桜というのは、やっぱり好きな花です。
僕は花でもなんでもそうなんですけど、大きいのがボン、とひとつあるよりも、小さい花が わぁっ
といっぱいあるのが好きです。桜の他にはかすみ草なんかいいですね。今の時期、桜とともに咲いている菜の花なんかもかわいくて好きですね。
歳を重ねて解ることって、いっぱいあるんだなぁと思います。
でもきっと、まだまだ解ってないことも沢山あるんだろうと思います。
そう考えると、人生って楽しいですね。
儚くて寂しくて、苦しいけれど、楽しい。
人生は花のごとく、儚く美しい。
をを、なんか今ガラにも無くいいこと言ったぞ(笑)
きっとサクラのせいだ。