うれしがり日記

GONG

リシーヴ魂隊の関西地区総長のGONGさんのコラム。『ヤマハ携帯サイト「ケータイクリエイターズ広場(Kクリ)」にて3つのレギュラーコーナーを展開中。あらゆるジャンルに興味を持つ趣味人間。特に収集欲、物欲が強い。広く浅い知識を誇るオタクになり切れないオタク。』とご本人。楽しいコラム間違いないです。

『愛と欲望』


あけましておめでとうございます!


正月休みにネット上を徘徊しておりましたらば
ひとつの記事に行き当たりました。

『買収後売り上げが激増 プロレス人気再燃を新日オーナー語る』
http://www.news-postseven.com/archives/20140102_234363.html

新日本プロレスの親会社で、カードゲームで有名な
「ブシロード」の木谷高明社長のインタビュー記事でした。

確かにブシロードが子会社化してからの新日本プロレスは
非常に勢いがあり、米国WWEを思わせるような華やかさに
満ち溢れています。

興味深く読み進めていきましたところ、ある一文で目が止まりました。

「僕は“すべてのジャンルはマニアが潰す”と思っていますから。」

一瞬「うっ」となりました。しかし、確かに言われてみれば思い当たるような
ことがチラホラとあるのです。

「マニア」とは何か?と言えば、一言で言いかえれば「愛好者」ということに
なるんだと思いますが、つまりはそのジャンルに対する強い想い入れを
持つ人のことを指すのだと解釈しています。

で、確かにどのジャンルでもマニアはその想い入れの強さがゆえに
時として視野が狭くなったり、暴走を起こしたりすることがあります。

「マニア」を言う言葉を詳しく調べてみますと「精神病疾患の1つ」
という答えまで出てきました。(苦笑)


一番顕著な例が鉄道マニアでしょうね。
写真を撮りたいがために立ち入りを禁止されている区域に立ち入る、
駅や車内で迷惑行為を行うなどなど、枚挙にいとまがありません。

もちろん多数の鉄道マニアはルールやマナーをわきまえ、
職員や他の鉄道利用者、そして他のマニア仲間に配慮した
行動をとっていますが、どうしても一部にそういう残念な方がいます。

他にも思い当たることがあります。郵便趣味です。
僕が「風景印」を集めていることは以前に書かせて頂きました。

「風景印」とは、郵便局で押してもらえる特殊消印のことです。
郵便局の窓口にハガキまたは50円以上の切手を貼った台紙を
持っていくと押してもらうことが出来ます。

で、風景印をお願いしに行くと、いくつかの郵便局では
「ご自分で押されますか?」と尋ねられます。

実はこれ、厳密に言えば規則違反なんですよね。
風景印は単なる記念スタンプではなく、法律で定められた消印なので
局員さんの手で押さなければならないのです。

しかし、このように言われるのには理由があります。
一部の風景印収集家が、印の押し具合について、やれかすれただの
傾いただのと細かいことに文句を言うのだそうです。

そのような口うるさいマニアへの対応策として
「だったら自分でやって下さい」というわけなのです。

これらの例は「業務を妨害してやろう」という悪意のものではおそらく
ないのであろうと思いますが、自分の欲求を満たしたいが
ために、相手や周囲に対する配慮が出来なくなってしまった結果で
あろうと思います。

プロ野球やJリーグなんかでもそんな話しを聞きますよね。
ファン・サポーターが興奮の余り迷惑行為、果ては違法行為を行ったり
ファン同士で揉め事を起こしたり・・・

プロレスの場合はどうかと言うと、先の木谷社長の言葉はこう前置き
されていました。
「コアなユーザーがライトなユーザーを拒絶していたがために、
プロレスが衰退していった面もありました。」

なるほどなー、と。これは音楽の世界にも言えることかも知れません。


あえて名は伏せます。あるAさんというアーティストが居ました。
売れてはいませんでしたがいい曲を書き、根強いファンが
ついていました。

ところがある時、Aさんがメジャーで大人気を誇るBさんとコラボした
ことから事態は一変しました。

Aさんは突如として話題となり、一躍メジャーの仲間入りをしました。
その原動力となったのは、やはりBさんファンが多数流入してきたことでした。

Bさんはすでに人気が安定しており、ファンの間でもBさんを応援する際の
「流儀」のようなものがすっかり出来上がっていました。

Bさんファンから流れてAさんのファンとなった人の一部は、その「流儀」を
Aさんファンの中にも持ち込もうとしました。

結果、従来のAさんファンから反発を買い、結果、一部の古いファンが
離れていってしまうこととなりました。

これはちょっとケースが違う話しではありますが、「好きすぎるあまり
周りが見えなくなる」例の1つかと思います。


さて正月です。(唐突ですが)
年始から嘆いていても仕方ありません。一年の計は元旦にあり。未来の話しを
したいところです。

そこで、ではどうすればいいのか?というお話し。

アニアは害でしか無いのでしょうか?マニアによってそのジャンルが
支えられているという面も当然あるはずです。

ここで三度木谷社長のお言葉。
「ただ、今のプロレスに関しては、そんな排他的なコアユーザーは少なくて、
みんなでプロレスを盛り上げたいという気持ちが強い。」

この「みんなで」というのがキーワードです。
いかに熱中していても、周囲に対する配慮を欠かさず、ジャンル全体での
盛り上げを考える人になれるかどうか?

そこにかかっているんだと思います。
自分の欲望ばかりを考える内向きな思考を、どれだけ外に向けられるか。
そのジャンル全体のことを考える「ジャンル愛」が必要なんだと思います。


愛と欲望。

文字にするとなんかやらしーですが(笑)
この2つのバランスを取ることが大事なんですよね。


というわけで、ワタクシの2014年のテーマは
「愛と欲望」 これで行きたいと思います!(笑)

それでは、新日本プロレスの棚橋弘至選手のノリで
最後に一発。

「リシーヴ読者の皆さーーん! 愛してまーーーす!」

今年もよろしくお願いします!