うれしがり日記
GONG
リシーヴ魂隊の関西地区総長のGONGさんのコラム。『ヤマハ携帯サイト「ケータイクリエイターズ広場(Kクリ)」にて3つのレギュラーコーナーを展開中。あらゆるジャンルに興味を持つ趣味人間。特に収集欲、物欲が強い。広く浅い知識を誇るオタクになり切れないオタク。』とご本人。楽しいコラム間違いないです。
『千客万来』
写真は、僕の大好きなイベント(笑) 今宮戎神社の十日えびすです。
正直言うと、お参りというよりもこの賑わう雰囲気が好きなんですね。
商売繁盛で笹持ってこい。一番商売繁盛してるのはアンタら神社じゃないか?って思うくらいの(笑)大きな賑わいです。
総合型地域スポーツクラブで働くようになりまして、イベントの企画運営なんかもやったりするわけですが、それで思うのは、人を集めるのって大変だよなぁ、ということです。
何を当たり前のことを、と思われるかも知れませんが、人を集めるのなんて楽勝だと思っていたわけではありません。あそりゃあそれなりの苦労が必要だろうなぁとは思っていました。
ただ、苦労の仕方のイメージが、思っていたのと違っていたのでした。
人はなぜ「集まる」のでしょうか?
人が集まるといいことがたくさんあります。
人が集まればお金が集まります。(笑)
そりゃまぁそうですね。人はお金を持って集まるわけです。
人が集まれば、楽しい。
多くの人と楽しさや、感動を共有出来ます。
人が集まれば、世界が動きます。
人間、所詮1人の力なんてたかが知れてます。
思えば現代社会のテーマはこれに尽きるんじゃなかろか?
とさえ思えてきます。
例えばライブをやるからには、お客さんが少ないよりは多い方がいい。
収益のこともあるし、やっぱり人が多い方が盛り上がる。
お店にしても、お客さんが集まって利益を出せなければ、遅かれ早かれ店を閉じるしか無い。
プロレスもしかり。それも1度の大会にたくさんお客さんが来てくれればそれでいいわけじゃない。次の大会にもたくさん来てくれるように、繋いでいかないといけない。
観光地にしてもそう。イベントにしてもそう。「リピーター」というのは大事です。
お金に絡む場合ばかりじゃない。例えば選挙。投票率の低さに悩んでいる。もっと投票所に集まってもらわなければいけない。
ネットでアクセス数を稼ぐのとはまた違って、人が腰を上げ、足を使って集まってくるというのは想像以上に大変なことなんですよね。
さて話しを戻します。人はなぜ?集まるのでしょうか。
端的に言えば、そこに魅力があるからですよね。
そして、そこに魅力があることを知っているからです。
自分に当てはめて考えてみればいいということに気づきました。(笑)
自分はなぜ「十日戎」に行くのか?それが楽しいということを知っているから。
なぜ楽しいのか?出店がいっぱいあって、色んな物が食べられるから?それだったら別に普段でも飲食店に行けば済む話。なぜ「えべっさん」でないとダメなの?
あるいはこの季節、あちらこちらでマラソン大会をやってますね。あれも集客力はスゴいです。
仕事柄、マラソン大会の手伝いとか、申し込みのサポートをやったりするんですが、抽選倍率何十倍とか・・・なんでみんなそんなに走りたがるの?(笑)てか走りたいなら勝手に自分で走りゃいいじゃん。
そこで興味深い記事を見つけました。
ここ数年、低迷期を抜け急激な人気回復を見せている「新日本プロレス」
その仕掛け人は、新たに新日本プロレスの親会社となったカードゲーム販売会社「ブシロード」の社長 木谷高明氏なわけですが、
その木谷社長のインタビュー記事に興味深いことが書かれていました。
「人気を出す秘訣、それは、「流行ってる感」を出すことなんです。」
新日本プロレスの場合は、首都圏を中心にTVCMや電車広告を惜しげも無く徹底的に打つことで、プロレスに興味の無い一般層に対して訴えかけていきました。
たとえそれが即集客に繋がらなかったとしても、粘り強く続け、世間の記憶に摺りこんでいったわけです。
知らない人からすれば「なにそれ?なんでそんなに盛り上がってんの?」となるわけです。
「人は、人の集まっているところに集まる」というわけです。
行列の出来る名店、なんてのがいい例ですね。あるいはクリスマスになるとイルミネーションの華やかな場所に集まり、大晦日にはカウントダウンイベントに集まる、なども同じような感覚ではないでしょうか。
「天の岩戸効果」とでもいいましょうか(笑)
次に音楽ライブ。僕もよく出かけます。しかしライブだったら何でもいいかと言われると・・・知らないアーティストでもまぁ機会があれば観ます。しかし興味も何も無いライブの為「だけ」にわざわざ足を運ぶかと言われると・・・増してやお金を払ってまで観るかというと、答えは「ノー」と言わざるを得ません。
やはりそこで演奏される音楽が自分にとって心地良いこと、それが判っているライブでこそ、電車を乗り継いで行ってみようという気になるわけです。
音楽に関して言えば、ある程度のクオリティの差はあるにせよ、やはり趣味趣向、感性の違いで、何を選ぶかは人によって変わっていきます。万人に受け入れられる音楽というのはまず有り得ないと思っています。
そうなると、いかにその音楽の「存在」を広く知らせることが出来るか?が集客のカギになってきます。
その音楽を、聴けば気に入るであろう人が、知らずに素通りしてしまっている・・・そんな層をいかに掘り起こすか?ということですね。
馬場俊英さんがいい例だと思います。
インディーズ時代は小さなライブハウスを巡るだけの活動をしていた馬場さんでしたが、ファンはその歌の素晴らしさを知っていました。
「なにか1つキッカケさえあれば、きっと坂道を転がり降りる勢いで売れるはず。」そんな話しをファン同士でしていました。するとその話しは現実になりました。
1つのキッカケ、「コブクロ」とのコラボレーションにより、馬場さんの歌の素晴らしさはあっという間に広まり、今や大ホール級の会場を、軽く埋めるまでになりました。
職業に貴賎はない、とよく言われます。僕もその通りだと思います。
しかしあえて言わせて頂くと、現代社会で一番偉い職業は「営業職」だと思っています。
どんなに優れた商品も、どんなに素晴らしいサービスも、営業さんが売ってくれなければ意味を成しません。
広告宣伝や営業活動が、いかに重要かを、今更ながらにして思い知らされているところです。
魅力あるプロダクト(コンテンツ)と、それを広める営業力。
それだけやろか?
うーん。
例えば、
興味も無いし情報も無かったけど、友達に誘われたからライブを観に行くというケース。
どんな音楽かよくわかんないけど、SNSで知り合った人だからちょっと観に行ってみるか、ってなケース。
ありますわな。
繋がりの力。口コミとかいうのもそれに近いかな?
コミュニティというのも無視出来ない存在ですね。
と、ここまで書いてみて、
そんな簡単に答えの出る問題ならば、広告代理店やプロモーターなんて仕事はいらんはなー。
みんなが日々アタマを悩ませている問題なんやもんなー。
と、身も蓋もない結論に逃げ込んでしまいそうになるのですが、
とりあえず言えるのは、そんな一朝一夕、一発大当たりで出来ることはまず無い。
やはり地道にやることやなー。と。
それと、自分自身が納得出来る、自信を持って薦められる商品を作り出すこと。
あとは、人が選んでくれる。
奇しくも現在、NHK朝ドラでやっている「マッサン」。
上質なリンゴでジュースを作っても、最高級のウイスキーを作っても、
売れない時は売れないんだよね~~~(苦笑)ドラマとしては面白いけど、もどかしいもんですよね。
ベストを尽くして、自分最高のものを作ろう。
そしたら、恥ずかしくても腹から叫ぼう。
「いらっしゃい!いらっしゃい!」と。
それが基本であり、王道なのかも知れませんね。