うれしがり日記

GONG

リシーヴ魂隊の関西地区総長のGONGさんのコラム。『ヤマハ携帯サイト「ケータイクリエイターズ広場(Kクリ)」にて3つのレギュラーコーナーを展開中。あらゆるジャンルに興味を持つ趣味人間。特に収集欲、物欲が強い。広く浅い知識を誇るオタクになり切れないオタク。』とご本人。楽しいコラム間違いないです。

『ゆるゆるでいこう!』


最近、
ガラにもなくハマっているものがあります。

「ゆるキャラ」です。(笑)

キャラクターやぬいぐるみなどというものは今に始まったわけでは
ないのですが、「ゆるキャラ」という言葉が使われ始めたのは多分
彦根市の「ひこにゃん」がヒットしてからではなかったかと思います。

あれは可愛かった。
40過ぎたおっさんだろうと、可愛いものは可愛いのです。

ということに自分自身で気が付いた時は軽くショックでした。(笑)


というわけで今回は「ゆるキャラ」について語ってみたいと思うのですが、


まず最初に、ゆるくない辛口のハナシからさせて頂きたいと思います。
このコラムとしては珍しい毒舌になりますが、ゆるキャラを語る上で
このことは避けて通れません。イヤな話しは先に済ませようと思います。


我が奈良県の公式キャラクター「せんとくん」についてです。

僕はヤツが大嫌いです。


まず第一に、あのルックス。
「せんとくん」が登場した時の報道や市民の反応を覚えていらっしゃいますで
しょうか?

気持ち悪いだの変だだの、そりゃもう批難轟々でした。
あの時は本当に悲しかったですね。

「ひこにゃん」の成功を受けて各自治体が競ってゆるキャラを出していた
頃でした。
いよいよ我が県にも!と、思っていたらアレですよ。
カウンターパンチを食らった気分です。

そのうち「キモかわ」なんて言葉が出てきて「まぁいいんじゃないの?」的な
空気になってきて、マスコミも突然容認論調に変わったり(圧力があったと
いう説もありますが)して現在に至るわけですが、僕は結局許すことが出来
ませんでした。

奈良県がバカにされたと思いました。
バカにされるようなキャラクターを出してしまった、と。

あとこの「せんとくん」に関しては選考過程に問題があったり、金の流れが
不透明であったり、それから作者の薮内とかいう大学教授のセンセー。

「せんとくん」は奈良県の為の書き下ろしかと思いきや、違うのですよ。
氏のホームページを見て愕然としました。

せんとくんと瓜二つな作品がずらりと並んでいるのです。あれはつまり教授の
「持ちネタ」だったわけで、それにツノを付けただけで500万もの金を受け
取っているのです。

腸煮えくり返りました。

そもそもまず大きな間違いなのは、ゆるキャラは芸術ではない、ということです。
芸術は大衆に媚びてはいけませんが、ゆるキャラは大衆に媚びなければなら
ないのです。

その点でも、どっかのお偉い教授センセーに依頼を出すこと自体が間違い
なのです。

さらには・・・いや、このへんにしときましょうか。
毒吐きだけで半分以上終わっちゃう(苦笑)

こうして、勘違いに勘違いを重ねて誕生した「せんとくん」。
ハッキリ言って僕は「奈良の恥」だと思っています。


さて、言いたいこと言ってスッキリしたところで(笑)本題に行ってみましょう。

「ひこにゃん」の次にハマったのがなんと言っても「くまモン」です。

JRの駅ででっかいポスターを見た時の衝撃ったらなかったですね。
「なんだ?!こいつは?!」と(笑)

あれを作った人は見事だと思いますね。
何がいいって、あの表情。

ゆるキャラ、特に着ぐるみになった場合は表情が固定されるわけですが、
くまモンのあの、すましているのか笑っているのか、という微妙な表情。
あれはゆるキャラにとって非常に大切なポイントだと思います。


それから「ユーモア性」というのも大事な点になるかと思うのですが、

札幌テレビ塔のキャラクター「テレビ父さん」 これはいいですよ。
ゆるキャラというと「子供」を連想させるものが多い中、「オヤジ」(笑)

これがグッズなどになる際にセリフがついたりするともうたまりません。
購入せずにはいられなくなります。


オヤジといえばもう一人いました。新潟県の「レルヒさん」 これも衝撃でした。

せんとくんの大失敗を見ても解るように、ゆるキャラにおいて「ベースが人間」
というのは非常に難しいんですよ。しかしレルヒさんはお見事でした。

見ようによっては怖いとも思えるあの表情(笑)愛さずにはいられません。


「水曜どうでしょう」が好きだったのが大きいのですが、北海道テレビ放送の
「onちゃん」もいいですね。onちゃんには「noちゃん」とか「okちゃん」といった
ファミリーが存在するのも特徴です。


那須塩原のキャラクター「ハンタマくん」これも傑作です。
那須塩原といえば温泉とスキー。ということで、スキー場の「ハンターマウン
テン」と半熟たまご(温泉たまご?)をかけて、ハンタマくん。絶妙なアイデア。
そしてとどめに自分自身に塩をかける(塩パラパラ=塩原?)というこの
シュールさ。

見事という他ありません。アイデアの勝利です。


たまごで思い出すのはもう1つ。和倉温泉の「わくたまくん」
自分自身がたまごであるにもかかわらず、さらにたまごを持って歩くのですが、
これが着ぐるみになった時、このたまごをコロコロ落としながら歩くんですね。
これがもー可愛いのなんのって(笑)


NHKの「どーもくん」も好きですね~。


京都も素晴らしいキャラクターを生み出してます。

まず「まゆまろ」 もー、ほとんどタダのマル。(笑)
鼻はおろか口すらないというシンプルさ。

かわいいですねー。
円形というのはゆるキャラにおいて一つの王道なのかも知れません。

そして京都タワーのキャラクター「たわわちゃん」
あのとぼけた表情がなんとも言えません。いいです。


こうして様々なゆるキャラが群雄割拠する中において、
ある時、自分の中に強烈な衝撃が、まるで雷のように走りました。

「ふなっしー」 です。

船橋市のキャラクターってことなのですが、なんと「未公認」
つまり「勝手にやってる」ゆるキャラなのですね。

そして、「走る」「飛ぶ」「しゃべる」という前代未聞のゆるキャラ。

もーここまで来るとキャラクターというよりパーソナリティの問題になって
くるので、他のゆるキャラと同列に比べるのは無理があると思いますが、

ゆるキャラ界(あるのか?そんなのが)に大きな波紋を呼んだのは確かです。
彼にはなにか「ゆるキャラ魂」のようなものを感じるのです。


さて、世紀の駄作を生み出してしまった我が奈良県。
しかしこのまま終わるわけはありません。

「せんとくん騒動」の中で生まれた対抗馬「まんとくん」
今ひとつインパクトに欠けるところは否めませんが、ゆるキャラとしては
十分合格点であろうと思います。

なにより「せんとくん」に真正面から不信任を突きつけた功績は大きいと
思います。

それから市町村のキャラクターも色々あるのですが、よく出来ているものが
多いですよ。


そして、ついにやってくれました。

奈良県に今年初めて出来たプロの球技チーム、バスケットボール・bjリーグに
新規参入する「バンビシャス奈良」

そのチームのマスコットキャラクターが決定したのですが、

『これ!これよー!ゆるキャラってのはまさにコレなのよー!!』
というぐらいに可愛い「シカッチェ」が誕生したのです。

バンビというだけである程度可愛さが保証されているところに、つぶらな瞳。
そしてなぜか下げているポシェットがいいワンポイントになっています。

奈良=鹿というイメージを描く際にどうしても付けてしまう「ツノ」を
あえて付けなかったことも点数が高いです。


「せんとくん」で味わった悲しさ、恥ずかしさ、悔しさが、やっと晴れた思いでした。



「ゆるキャラ」の仕事は、愛されること。
団体や企業や地域の「顔」となることです。

そして、ゆるキャラは成長するものでもあると思います。
まさにゆるキャラは「生きて」いるのです。


これからも多くの人々の想いを受けて色んなゆるキャラが登場し
我々を癒し続けてくれることでしょう。