電気ぶたナマズ

hebi* (ナ マ 田 あ す か)

独特の切り口、独特の表現、独特の世界観!しかし読み終わってからジワっと「なるほど。。」リシーヴ連載当初から人気大爆発の『ナマ田あすか』さんのコラム。正体不明の読む快感に中毒者続出!? 『あすかワールド』あなたもそっと、覗いてみませんか??病み付きになります。

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【猫屋敷】

第100回

2014.6.15更新

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【猫屋敷】

 現在、亀3匹猫5匹と暮らしているのである。
なんとこの1週間ほどの間に子猫が2匹も増えた。
1匹は田んぼに捨てられていたのを知人からうちへ。
1匹は大雨の深夜、うちの縁側でミヤーミヤーと大声で
鳴いていたのを私自身が部屋へ入れたのである。
それぞれ2か月のメスと1か月のオス猫である。

 大阪で猫屋敷に関する条例案が出されていたのはいつだったか。
確かその案においては、10匹以上になれば届出が必要に
しようではないかというような内容だった。
うちは5匹だ。まだセーフの領域だろう。
がしかし、毎年の健康診断や予防接種そして避妊手術等の
基本的な医療費も安くはない。個人で家族の世話とは別に
愛情をもって適切に飼育するには5.6匹がボーダーラインかもしれない。
猫同士の相性なども大いに影響するだろうから数匹の誤差はあっても
やはり、肥満者といえど100㎏を超えるのはなかなか難しい
というのと同様に、いくら猫好きといえど、いや猫好きだからこそ
猫屋敷と化すのはなかなか難しいものなのだと思う。
もちろん猫屋敷にするつもりは全くないのだが。

 猫屋敷になってしまう人の心理を知りたいと思い調べたのだが
思うように見つからない。
 ゴミ屋敷になってしまう人の心理的要因は①過労によるストレス
②家庭環境によるストレス ③社会からの孤立・寂しさ だそうである。
なんとなくイメージできるようなできないような。
しかしセルフネグレクトになってしまうことと同じであると考えれば
よくわかるような気もする。

 猫屋敷はどうだろう。
私の周囲には猫を飼っている人がとても多い。
有名無名などという無粋な線引きはなしとしてアーティスト系の人が
猫を飼っている率は驚くほど高い。次に爬虫類。
おそらく、感受性が高すぎる人間にとって犬のように
共感性の高い動物というのは気持ちがわかりすぎて荷が重いのだろう。
いや、私がそうなのだ。犬の健気さに胸がしめつけられる。
犬が待っていると思うと出かけるのさえ猛ダッシュである。
犬は・・犬は・・・(涙声)
 猫も爬虫類も実はとてもこちらの気持ちに寄り添ってくれるのだが
「気にしていないフリ」が上手である。呑んで帰りが遅くなった旦那を
寝たふりして待っていてくれた良き妻のような、あるいは本当に
なんとも思っていないのかもしれないなと思わせてくれる気楽さがある。
こちらが作業をしていても構ってもらいたければ遠慮なく邪魔してくる。
実は遠慮している間があることも私は知っているが結局は邪魔してくるので
こちらとしてはあまり我慢させていないと思え、気持ちが楽になり
また哺乳類独特の毛の匂いと寝顔に癒される。

 猫屋敷になる人は、人との接触を拒み攻撃的になるそうだ。
わかる気がする。私は人との付き合いに非常に波があり、
外に出だすと数年は出ずっぱり。その後数年は家に居たい期間となる。
そのタイミングで一気に猫が5匹に増えたのも何かの縁というよりも
当然の流れであったのだろうと思う。
 おそらく猫屋敷になってしまった人の多くは、人に疲れて
人に攻撃的なのではなく本当は人が怖いのではないだろうか。
 ゴミ屋敷になる人の一部の人は、外ではとても立派な地位にいたことがあり
その「外」との落差や「外」からの重圧の解放を自らの砦で行っているようだ。
 女性が猫、男性がゴミに囲まれる割合が多いということも
とても興味深い話であるが、さて、私は猫屋敷の主になるだろうか。
今のところ猫以外にも話す人間は何人もいるが、老いてゆくこの先はどうだろう。
猫が増えたら、また報告しよう。