電気ぶたナマズ

hebi* (ナ マ 田 あ す か)

独特の切り口、独特の表現、独特の世界観!しかし読み終わってからジワっと「なるほど。。」リシーヴ連載当初から人気大爆発の『ナマ田あすか』さんのコラム。正体不明の読む快感に中毒者続出!? 『あすかワールド』あなたもそっと、覗いてみませんか??病み付きになります。

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【サンタクロースサンタクロース】

第94回

2013.12.15更新

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私の元にもサンタクロースが来てくれないものだろうか。

サンタさんの存在を信ずる者が周りにいなくなって久しい。

それを周知の上で、サンタクロースの訪問を夢見る私。



思えばクリスマス間近になると夕食時に

大声で欲しいものを空の上のサンタさんにお願いする

という儀式を毎年行っていたわけだが、ある年

早口でプレゼント内容を叫んだ私に父が笑いながら

「え?あれー?今なんて言ったかな?聞き取れなかったから

もっとゆっくりもう一度言って」と。横で母も爆笑している。

この時、幼稚園児だった私はピンと来た。

これは何かある、と。その何かとは、おそらく

サンタクロースの正体は父なのだろうと。衝撃であった。



その後、従兄弟たちがサンタクロースはいないとか

プレゼントは父親が買うのだとか言うのを聞いて

ああ、やっぱりそうだったのかと自分の子供っぽさや

それを信じさせてくれていた父母への愛と憤りという

複雑な想いを抱いたものの、ここは異様に気を遣う長女、

父母が明かすまでは、騙されてあげねばならぬと心に命じた。



その後数年、夜中にガサガサ(包装紙)チャリチャリ(小さいベル)

うるさい音をたてながら枕元にプレゼントを置く父母の

ヒソヒソ声にも寝たフリをし、プレゼント用の靴下に

プレゼントが入っていないことを伝えると母がプレゼントを

クローゼットの中に隠したままで焦っていたことにも

素知らぬ顔をし、父母の仲が悪くなってからは

母親の仕切るクリスマスプレゼントが「マンボのレコード」だったり

「ごんぎつねの本一冊」だったりと母チョイスの全く嬉しくない物に

なっていても落胆を隠し、夫婦不和の改善を祈るのみであった。



そして小学6年生になったクリスマス間近の或る日。

母が唐突にこう言った。

「もう知ってるでしょ?クリスマスプレゼント何がいい?」と。

「う、うん……」それしか言えなかった。

信じてるフリしてた自分がバカみたい。恥ずかしい。

そして、父母の仲が悪い今、収入も足りてないようなそんな中で

プレゼントなんて要求できない。色んなことがもう淋しいわ、と。



大人になった今、サンタクロースになってくれていた父母にも

複雑な想いはあるし、サンタクロースを引き継いでくれた彼氏にも

なんだか今更思い出したくないくすぐったいような逸話もある。

けれど、総じて一瞬でも私を頭に思い浮かべてくれた時があったことに

感謝だなぁ。やっぱり感謝なんだなぁ。確かにその時

細く細くでも心を繋げてくれていたんだから。

人生は素敵である。

これぞ人生の醍醐味であるな、と。

で、話は変わって、お願いがある。

やっぱりもうサンタクロースは来てくれなくていいから

そのかわりに、年末ジャンボ5億円が来ますように……後生だから!ね!

大人のメリークリスマス☆

ちなみに大好きなクリスマスソングは『ママがサンタにキスをした』だ。