電気ぶたナマズ

hebi* (ナ マ 田 あ す か)

独特の切り口、独特の表現、独特の世界観!しかし読み終わってからジワっと「なるほど。。」リシーヴ連載当初から人気大爆発の『ナマ田あすか』さんのコラム。正体不明の読む快感に中毒者続出!? 『あすかワールド』あなたもそっと、覗いてみませんか??病み付きになります。

【嗅がずにはいられない】

第88回

2013.06.15更新

わざわざ人様にお話ししなくても良いことなのだろう。

お話ししても、私にとっては何のメリットもなく

むしろ…………。



幼少期より嗅覚が優れているとしばしば褒められた。

しかしそれは科学的証明がなされているわけではなく

家庭及び職場や友人の間でのことだ。

芳香剤・柔軟剤・シャンプー等ももちろん好きであり

販売店内でテスターを嗅ぎまくり、鼻がバカになってくると

一旦、後ろを向いて鼻の穴の奥を意識しつつ

「フンーーーッ!」と排気&リフレッシュするのだが

そんなことは、どうでもいい。普通である。



基本的に何か見知らぬモノを見ると「どんなニオイだろう」

ここから入るという接触の仕方だということを念頭において頂き。

で。そこでだ。

とっても可愛いけど触ったことのない、もしくは面識のない

動物や人間を実際見かけたり、画像を見たりすると

「どんなニオイするのかな」と無意識にまずそこを想像する。

これは、ままあることだろう。



更にだ。

綺麗だけど嫌いな女優がテレビに映る。

「あーコイツ絶対納豆足タイプだなー」等と僻む。

がしかし、性格悪いと思われたくないので口には出さない。

まーこれも、私のように歪んだ人間にはあるだろう。



そしてだ。

とってもタイプの毛むくじゃらのラテン系男が

半裸で脇毛が見えそうで見えないイヤ一瞬見えたかくらいの

CMがたまにあるのだが、それは困るのである。

脇の下と胸や首の後ろを非常に嗅ぎたい、嗅ぎたい、嗅ぎたい

嗅いでみて、あーやっぱり好きだわと、とにかく嗅ぎたい。

ついでに脇の下に棲みたい。



発展してくるのである。

人間というのは慣れる飽きるそして更なる刺激を求める愚かな生き物だ。

とにかくそれは、

何かちょっと気持ち悪いモノがニュース番組で放映されたとする。

気持ち悪いモノとは「うわー怖いけど好きかもー」と思うモノから

「え、なにこれ?げげげげー」というようなモノ等様々だ。

前者の最も上位に君臨しているのはここ数年ずっと「ミイラ」である。

ミイラってどんなニオイがするのだろう、本当に。

気になって仕方がないので、いい加減に嗅いでみたい。

後者は口にするのもおぞましいけれどソフトなタイプの一例を紹介すると

ゴミ屋敷のゴミのミルフィーユや、浮浪者の……いやいや何でもない。



段々気持ち悪い方面に話が及び過ぎたので

最後にここ5年ほどの私のお気に入りをお披露目しよう。

私は鼻パックなどしても角栓など取れない。

がしかし、エステ等で使用する穴の空いたミニスプーン型の器具で

鼻頭を押すと毛穴からクリームが出るであろう。

これがもう、くさい!くさいったら非常にくさい!

ピアス穴精製物の比ではなくクサイ!

これを左手親指と人差し指で延ばし、空気に触れる面を多くすると

気絶するほど悩ましいクサさであり、何度も吸引し薄ら笑いをと。

えー話が最も気持ち悪くなってきたところで

何のメリットもないお話を次に誰に教えてあげようか考えつつも

獣たちのように、人様の股間のニオイで個体識別するようなことに

ならぬようそこのところはセーブせねばならんと思っている。

大人だから。