電気ぶたナマズ

hebi* (ナ マ 田 あ す か)

独特の切り口、独特の表現、独特の世界観!しかし読み終わってからジワっと「なるほど。。」リシーヴ連載当初から人気大爆発の『ナマ田あすか』さんのコラム。正体不明の読む快感に中毒者続出!? 『あすかワールド』あなたもそっと、覗いてみませんか??病み付きになります。

【寝て起きてまた寝て】

第91回

2013.09.15更新

涙の量は、一生を通して決まっていて

人生初期によく泣いた人は、晩年泣かなくて済む、あるいは

泣けないということだし。

子供の頃泣けなかった人は、成長してから泣けるようになると。

涙の成分には、ストレスを解消する成分が入っていることが

最近の研究で発表されていた通り、涙を流すという行為は

科学的にも証明された癒やしの方法であるらしい。



心身共に癒やす方法としては、睡眠が一番に挙げられるかと

思うが、睡眠時間というのも一生を通して決まっているのがろうか。



とにかく若いころは眠らずに動いていた。

3時間睡眠なんてザラであり、3時間眠れれば多い方だった。

そのうちに眠らないのではなく、眠れなくなってきた。

眠ったと思っても、少しの物音で起きてしまってもう眠れない。

少しの物音で起きるというのは、母性がそうさせているというのも

あながち間違ってはいないだろうし、それはそれで必要だとは

思うのだが、とにかく今度は「今眠らないとしばらく眠れない」

と思うことがプレッシャーとなり眠れない。

横でグーグー寝てる奴のアホヅラがムカついて眠れない等

だんだん病的な不眠症になってきたこともあった。



元々、ショートスリーパーではあったので

長時間の睡眠を必要とはしないのではあったが

今年の春は久しぶりに不眠症が勃発し全然眠れなくなってしまった。

薬を使えばどうにか眠れるものの、薬がなければ眠れないということが

ストレスとなり心身ともに衰弱していった。

その頃、大きな心配事があったこともありポロポロ泣いたりも

していたところ、死んだ犬や猫が夢や目前に現れたり、

優しい目上のお友達からのお言葉にならい、薬はお守りに持ち

大丈夫大丈夫と自分をなだめ、感謝の気持ちで過ごすことにした。



時間が経ち現在。

まったくもって寝てばかりいるわけである。

異常なほどの睡眠量だ。なんでこんなに眠いのだろう。

なんでこんなに眠れるのだろう。疲れているのだろうか?

いいや、疲れているとするならば、寝すぎて吐き気がするほど

疲れていると言えるだろうが、いくらなんでも寝過ぎだろう。

うちには3匹の猫がいるが、猫も呆れるほどの睡眠量で

子猫が死んだ母猫にすがるかのように起こしにくる。

私はフレッシュな擬似死体なのである。

これはどうしたことだろう。

そう考えた時に、一生分の睡眠量を残りの人生で分割した際

このままでは消化しきれないということで寝ているのだろうか。

とにかく、最近、寝てばかりいるのである。

このまま寝ている間に、何も心配せず眠るように永眠できれば

涙も枯れずに潤った身体のまま終えられるのだろうが。

ただ眠れるということは、幸せなことだなぁと噛み締めている。