電気ぶたナマズ

hebi* (ナ マ 田 あ す か)

独特の切り口、独特の表現、独特の世界観!しかし読み終わってからジワっと「なるほど。。」リシーヴ連載当初から人気大爆発の『ナマ田あすか』さんのコラム。正体不明の読む快感に中毒者続出!? 『あすかワールド』あなたもそっと、覗いてみませんか??病み付きになります。

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【人格はどう築かれる】

第99回

2014.5.15更新

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テレビのニュースを見ていた。
公立小学校と民間塾が手を結び官民一体教育の試みがあるという。
目指すところは「(自立して)社会で食っていける人間(を育てる)」
そうなのだ。そこなのだよと思いながらも授業風景にギョッとする。
緩急のある授業で、児童の集中力の持続時間を考慮していたのだが
児童・教員・補助教員等が皆で大声張り上げジェスチャー激しく
なんというのか異様な風景なのであった。
しかし、大人というのはそもそも保守的なわけで、現状維持が
一番選択しやすく、新しいものに拒否反応を示すわけだから
私もそういう部分で後ずさったのかもしれないが。

人格というのは、どのように形成されていくのだろう。
その疑問文が、読書のきっかけでもあった。
自分がとても「生きづらい」
この「生きづらい」という言葉を見つけられただけでも
呼吸不全の半分くらいは解消したように感じたものだった。
そこから、読書読書読書読書・・・・・・。
読書の素晴らしさを苦しんでいる人に伝えたいと思うものの
世間一般常識としては、百聞は一見に如かずであり、活字よりも
生の人間同士の触れ合いが大切の一点張りであることが多い。
それはもちろんそうなのだが、その触れえる人間に大きな問題があったり
声を上げることが制限されていたり、様式が定められていることで
疲弊し、自己に異粒子のレッテルを自ら貼らざるを得なくなった人間は
それでもその限られた知識レベルの範囲に踏みとどまるべきなのか。

自分が立って見渡せる範囲に居る人の見識も耳に入れつつ
もっともっと色んな感じ方考え方見方聞き方、そして生き方の肯定。
今自分が考えあぐねていることが、過去の偉人と同じものだったと
知った時の安堵感。自分を自分のままで、あるいは少し角質化した
固い皮膜を削って動きやすくする視野を手にいれる一手として
様々な人の生き方を知ることができる読書。
人格は作るのか作られるのか何なのか。
自分以外の人間の人格を作ることは怖いこと。
だって私が世に言う「まっすぐ」ではないからだ。
色んな犯罪者の成育歴なども多数読んだ。
これはもう人格を作ることの恐怖からであったが
どんな劣悪な環境にいても犯罪者にならない人もいるし
その逆もまた然り。
人格は作られるままにしていてはいけないのだろう。
どこかで、なるべく早く多様な価値・多方向性の世界の存在を
知ることからだけでも、自分の人格形成に自分が携われるのではないかな。

小学生に上記のようなことを言っても実感は薄いだろうが
小学生だった頃の私には耳打ちしてあげたかった。
世界にはもっと沢山の人がいて、もっともっと自由なのだ世界は。
苦しい時にインターネットなどを使うと選択的に暗い情報ばかり
集めてしまうという向きもあるが、それでもだ、その情報の中に
自分を助けるきっかけになるキーワードがあるはずで。
そういうレスキューを教えてあげたかったな、子供の私に。
とにかく、人格の基礎を築く場合に前述したようなことを
考えなくても楽に生きていける人間の基礎を築いてあげたいものだが
その基礎の作り方は、残念ながら本だけでは習得できていない。