映画に学べ

和泉歳三

大分の映像制作・モデルタレント事務所CINEMASCOPE代表。
映像ディレクター/ご当地アイドルSPATIOプロデューサー。
「映画ヲタク歴」と「アイドルヲタク歴」は40年以上の筋金入りの「ヲタク」。
九州一のマイナー県・大分の地から全国に向けて「映画愛」「アイドル愛」配信中。

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「中学生円山~妄想こそが想像の源~」

第90回

2013.06.15更新

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あまちゃんで大人気のクドカン監督作品「中学生円山」。

団地に住む平凡な男子中学生の妄想ストーリー。

ごく平凡な過程に生まれ育った中学生・円山克也は、思春期真っ盛り。
あるエロい目的を達成するため、極限まで身体を柔らかくする「自主
トレ」を密かな日課にしていた。
そんなある日、団地の上の階にいつも乳母車を押して歩く謎めいた
シングルファーザーの下井辰夫(草薙剛)が引越してくる。
やがて団地のそばで殺人事件が起こり、克也は下井の正体が殺し屋
(子連れ狼)だという妄想を始めるが……。
同級生女子とのちょっとエッチな妄想はお約束で、韓国人の電気屋が
「処刑人プルコギ」に。徘徊老人が「認知症のデスペラート」に。
平凡な父親が「9時5時戦士キャプテンフルーツ」に、克也の妄想は
エスカレートし、やがて妄想と現実の境があいまいになり、次第に
真実が見えて来た時・・・

相変わらずのクドカンワールドが炸裂している。

思えばこのクドカンのクリエイティブの源は、中学時代の妄想癖
だったのではないだろうか?子供時代、誰もが「ごっこ遊び」をした
はずだ。そんな幼稚なごっこ遊びが、中学生ぐらいになると、少し
現実味を帯びてくる。空想遊び、妄想遊びの才能がもっとも発揮される
のが、この中学時代ではないだろうか?
これが高校になると受験という現実に押しつぶされ、創造の芽はどん
どん萎んで行く。つまらない大人への第1歩だ。
「考えない大人になるぐらいだったら、死ぬまで中学生でいるべきだ!」
のセリフは、妄想こそが創造の源だと教えてくれる。

それを持ち続けた大人が「クドカン」や「三谷幸喜」になれるんだと思う。

2年前に「ご当地アイドルを作る」と宣言した時、まわりの人間は、
出来るはずがない「妄想」だと思っただろう。
「妄想」を持ち続けて良かったと思う、今日この頃である。