この道の果てまで
山下忠彦
シンガーソングライター、俳優、ラジオパーソナリティとしてご活躍中の山下忠彦氏の、コラム『この道の果てまで』『山下忠彦LIVE!太陽にあたる場所』FM845毎週月曜日13:00〜。『夕暮れエンタテイメント』FMハイホー81.4毎週火曜日18:00〜。『奈良町チャンネル』奈良どっとFM78.4毎週水曜日21:00〜。『ちさとシアター』隔週木曜日18:00〜。ONAIR中。
「九死に一生」
第82回
いきなりですが45歳になって早速事故りました。
仕事でバイクに乗っていたら
個人タクシーと激突しました・・・。
信号の無い、細い住宅街の交差点での出会いがしらで
一瞬の出来事でした。
激突する瞬間の映像はまだ目に焼き付いてます。
まるでスローモーションのように
グシャンガシャンと潰れながら天と地がさかさまになり
車に身体がドンと当たり、ぶっ飛びました。
バイクの前面は見事に大破。
オリジナルでワンオフで作ったフロントカバーが
木端微塵。
砕け散ったバラバラの部品を見たら
ショックでへたり込んでしまいました。
相手のタクシーは殆どどこにぶつかったのか
自分のバイクの壊れ具合に見合わない位の
擦り傷とへこみだけ…。
俺のバイクはこんなに壊れているのになんでやねんっっっ!
と、思いましたが
降りて来たドライバーさんも怪我なくて
良かったです。
が
警察が来て状況説明している最中も
救急車で運ばれている途中も
バイクが・・・
バイクが~!!!
と
自分の身体の怪我より
バイクの破損状況の方が気になりました。
一生懸命苦労して作った山下忠彦オリジナル部品を
また作り直さなあかんと思うと気が滅入るのと、
もう手に入らない貴重なパーツなので
絶対壊したくない思いで大事に乗っていたのに
ちょっとした不注意で、いとも簡単に
木端微塵に潰してしまった罪悪感。
病院でレントゲン撮ってる間も
どんどん精神的に落ち込んで行く。
まるで家族を亡くしたような喪失感…。
幸い骨折や大した怪我はありませんでした。
時間が経つにつれ、事故の状況からしても、
よくこれだけの怪我で済んだなぁと
後々怖くなって来ました。。
骨折や内臓破裂や
頭打ったり、顔がずる剥けたり
気が付いたら病院のベットの上で
「ここはどこ?私はだあれ?」ってな状態になってても
おかしくなかった。
もしかしてそのままあの世に行ってたかも知れない。
一瞬で人生も終るんやな~と。
それより
もしかしたら自分が人を撥ねたり
加害者になっていたかも知れない。
それも無く
本当に奇跡やったと思います。
色んな意味で、九死に一生を得ました。
つくづく守られたんやなぁと思います。
感謝です。
が
もう廃車やろなぁ・・・。
しかし凄い事に
次の日は何事も無かったように6週間分の
TV収録も無事に済み、
その次の日の殺陣教室も行けて
第二土曜恒例のライブも出来て
その次の日曜日には
新生瓏蓮者のプロモーションビデオも撮影できました。
あんな事があったのに
何故こんなに動けるのか、自分が自分に
一番驚いてました。
執念です。
全ては'気'の持ちようですが
まだ気を抜くと、
バイクが・・・バイクがぁ~!!!と
気分が滅入ってきます。
日に日に色々な所が痛くなって来ましたが
身体は自然治癒力で治っても
バイクはほっといたらほっといたまま
直らないですもんね。
うじゃうじゃ考えても仕方がない。
やはり見守られて
無事に今でも過ごせている事に感謝ですね。
こんなに元気にピンピン・・・
とは言えませんが
まだまだ生かされている事の喜びを
感じます。
6月10日は母親の命日でした。
いつもはバイクで行けていた比叡山にあるお墓も
電車とタクシーを乗り継ぎ行きました。
もっともっとこの世での活躍や
成長するまで、現世で修行せい!!頑張れ!!
と、言われているような気がしましたね。
母が守ってくれたんやなぁと思います。
周りの方々にもご心配かけましてすいませんでした。
最後に
道端で仕事をしていると色々な所に雑草が生えて来てるのを
見掛けます。
こんなとこに生えんでええやんって場所や
ここに生えても刈り取られるだけやんって場所で。
一時[ど根性大根]ってありましたが
そんな雑草を見て感じた曲です。
「アスファルトに咲く花」
コンクリートの隙間から目を出した雑草
土も見えない所から光を求めて
自分の生きる場所を見つけ 力強く生きてる
場違いな場所であろうとも 力一杯生きている
アスファルトに咲いた花のように
何所に生まれようと力一杯生きている
何の為に生まれて来たの?この世に居ても居なくても
別に自分じゃなくてもよかったと、迷う事もあるけど
一つの命 あの日生まれ そこに僕の魂が宿って
生きる事は 止められない 使命があると信じ
アスファルトに咲いた花のように
僕はここに居ると 力一杯叫ぶんだ
以上
皆さんも
何が起こるかわからない毎日
当たりまえの様に生きている今日
急に終るかもしれない人生。
1日1日を大切に生きて下さいね。